エナメル質形成不全

学校開始後、子供たちも少しずつこれまでの生活リズムを取り戻してきているように感じますが、夏の暑さもこれからですのでくれぐれも体調管理には気を付けましょう。

さて、当院で定期受診のお知らせと共に概ね3か月毎に発行している「はぐハグ通信」も現在27号をむかえています。今回は「エナメル質形成不全」について特集しています。

 

エナメル質形成不全症(MIH)とは、おもに前歯と6歳臼歯(第一大臼歯)に発症する先天的なエナメル質の形成障害をいい、MIHのMとは臼歯(Molar)、Iとは前歯(Incisor)、Hはエナメル質形成不全(Hypomineralisation)を指します。10人に1人にみつかる問題で決してめずらしいものではありません。詳しい原因は不明なのですが、歯があごの中で育っているとき、エナメル質が十分に成熟しないことによって起きると考えられています。

当院でも永久歯の萌出・永久歯列への完成を見守る中で、「永久歯の先天性欠損」・「過剰歯の存在」・「永久歯の異所萌出、埋伏歯」などと同様に早期から注意すべき事柄として、お伝えする頻度が高い問題です。

歯が萌出したばかりの頃は、まだ上下の歯がかみ合っていないためエナメル質がもろいことによる問題が現れにくいといえます。その時からしっかりとブラッシングを行い仕上げ磨きのポイントになるように意識していくことが大切です。その後、歯がしっかりかみ合ってくると、力が加わる奥歯のエナメル質の欠けや崩れが生じやすくなり、問題が顕著化してきます。歯が多少崩れてきてもすぐに大きな問題が生じるわけではありませんが、エナメル質が失われることでむし歯も進行しやすくなりますので注意が必要です。

当院ではできるだけ歯を削らないように歯に接着させる樹脂の詰め物や歯を守る効果のあるお薬で小さく補修・補強しながらできるだけ歯質をもたせる対応を優先ています。一度補強しても歯の欠けが繰り返されることも多く、将来本格的な治療が必要・可能になるまでは定期的な来院でチェックしていくことが大切です。

状態は個々の歯によって異なりますのでご不安なことはいつでもご相談ください🌼